投資信託の目論見書の見方

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前回は『あなたにピッタリの投資信託を選ぶ7つの方法』を紹介しました。

今回は、目論見書の各項目について分かりやすく解説します。目論見書は、投資信託を購入する際に重要な情報が記載されている文書です。初めて目論見書を手にする方にとっては、その内容が難しく感じられるかもしれませんが、この記事を読み終えたころには少し理解が深まると思います。

■投資信託の基本情報

投資信託の名称

目論見書の最初には、投資信託の名称が記載されています。これは、その投資信託がどのような目的や方針で運用されるかを示す重要な情報です。名称から、その投資信託の特徴や投資対象をある程度把握することができます。

設定日(運用開始日)

設定日(運用開始日)は、その投資信託が運用を開始した日を示します。設定日が古いほど、運用実績が豊富である可能性が高く、信頼性の判断材料となります。新しい投資信託の場合は、運用実績が少ないため、リスクを考慮する必要があります。

運用会社の名称

運用会社の名称も目論見書に記載されています。運用会社は、投資信託の運用を担当する企業であり、その信頼性や実績が重要です。大手の運用会社や実績のある運用会社が運用する投資信託は、安心感があります。

■投資方針と運用方法

投資対象(資産クラス)

目論見書には、投資信託の投資対象(資産クラス)が記載されています。資産クラスには、国内株式、海外株式、国内債券、外国債券などがあります。自分の投資目的やリスク許容度に合った資産クラスを選ぶことが重要です。

投資地域

投資地域も目論見書に記載されています。投資信託がどの地域に投資するかを示しており、国内、海外、新興国などがあります。投資地域によってリスクやリターンが異なるため、投資先の地域を確認することが重要です。

運用スタイル(インデックス型、アクティブ型など)

運用スタイルも目論見書に記載されています。インデックス型は市場全体の動きを反映する運用方法で、手数料が低く、長期的な投資に向いています。アクティブ型はファンドマネージャーが積極的に銘柄を選び、市場平均を上回るリターンを目指す運用方法です。

■リスク情報

目論見書には、投資信託に伴うリスクの説明も含まれています。価格変動リスク、為替リスク、信用リスクなどが具体的に説明されており、投資信託に投資する際のリスクを理解するために重要な情報です。

■手数料と費用

購入時手数料

購入時手数料は、投資信託を購入する際にかかる手数料です。通常、購入金額の一定割合が手数料としてかかります。購入時手数料が高いと、初期投資額が減少するため、手数料の低い投資信託を選ぶことが重要です。

信託報酬(運用管理費用)

信託報酬は、投資信託の運用管理費用として毎年かかる手数料です。信託報酬は、投資信託の純資産総額に対して一定割合がかかります。信託報酬が高いと、運用成果に影響を与えるため、信託報酬の低い投資信託を選ぶことが重要です。

信託財産留保額

信託財産留保額は、投資信託を解約する際にかかる手数料です。解約時に信託財産の一部が留保されるため、解約時の手数料として考慮する必要があります。信託財産留保額が低い投資信託を選ぶことで、解約時のコストを抑えることができます。

■運用実績

過去の運用実績

過去の運用実績を確認することで、その投資信託がどの程度のリターンを上げているかを把握できます。ただし、過去の実績が将来の成果を保証するものではないため、参考程度に考えることが大切です。運用実績を確認する際には、長期的な視点で見ることが重要です。

基準価額の推移

基準価額の推移は、投資信託の価値がどのように変動してきたかを示す重要な情報です。基準価額が安定して上昇している投資信託は、運用が順調であることを示しています。基準価額の推移を確認することで、投資信託のパフォーマンスを把握することができます。

■税金に関する情報

投資信託には、購入時手数料、信託報酬(運用管理費用)、信託財産留保額などの手数料がかかります。手数料が高くなりがちな投資信託の特徴としては、アクティブ型や特定のテーマに特化したファンドがあります。手数料が高いと運用成果に影響を与えるため、手数料の低い投資信託を選ぶことが重要です。

■運用実績で選ぶ

目論見書には、分配金や売却益に対する税金の説明も含まれています。分配金や売却益には所得税や住民税がかかるため、税金の影響を理解しておくことが重要です。

■その他の重要情報

目論見書には、投資信託の解約方法や運用報告書の入手方法など、その他の重要な情報も記載されています。これらの情報を確認することで、投資信託の運用や管理に関する詳細を把握することができます。

おわりに

いかがでしたか? 目論見書は、投資信託の内容やリスクを理解するために非常に重要な文書です。しっかりと目を通し、自分に合った投資信託を選ぶための道しるべにしてください。

執筆者:鍛治田祐子

■ファイナンシャルプランナー

【保有資格】CFP®認定者 1級ファイナンシャルプランニング技能士

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