他人事ではない!破産債務者の多くは40歳代

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破産債務者の多くが40歳代であることをご存知でしょうか?
生活苦や低所得、病気や医療費、さらには負債の返済のためにさらに借金を重ねるなど、さまざまな要因が重なり、多くの人々が破産に追い込まれています。今回は、破産債務者の現状とその原因について詳しく解説します。

■多重債務に陥った原因は?

日本弁護士連合会による2020年の調査によると、破産債務者が多重債務に陥った原因の第一位は生活苦や低所得によるもので、全体の61.69%を占めています。第二位は病気や医療費で23.31%、第三位は負債の返済のためにさらに借金をする場合で20.48%です。3年ごとに調査が行われていますが第一位は一貫しており、生活苦や低所得による割合は毎回60%前後を推移しています。

■破産している年齢層の多くは40歳代と50歳代

破産債務者の年齢層を見てみると、40歳代が26.94%、50歳代が21.45%で、両者を合わせると破産債務者のおよそ半数に達します。一般的に、40歳代や50歳代の人々はそこそこの役職に就いており、子どももバイトをしようと思えばできる年齢であるため、あまり自己破産をしなさそうな印象を受けます。しかし、実際には以下のような要因で生活が苦しくなるケースがあります。

  • 収入の減少:リストラや転職による収入の減少が要因となることがあります。
  • 医療費の増加:年齢とともに健康問題が増え、医療費がかさむことがあります。
  • 教育費の負担:私立大学など子どもの教育費が家計を圧迫することがあります。
  • 住宅ローンの返済:住宅ローンの返済が家計に重くのしかかることがあります。
  • 親の介護:親の介護費用や時間的な負担が家計に影響を与えることがあります。

■破産債務者の平均月収は142,021円

破産債務者の平均月収は142,021円であり、これは生活保護の世帯と比較しても非常に低い水準です。生活保護の基準額は地域や家族構成によって異なりますが、例えば令和3年4月の東京都区部で、夫婦と子ども1人(33歳・29歳・4歳)の世帯であれば228,560円程度の支給があります。つまり、破産債務者の平均月収は生活保護の基準額を下回っており、生活が非常に厳しい状況にあることがわかります。

おわりに

いかがでしたか? 破産債務者の多くが40歳代であるという現実は、決して他人事ではありません。生活苦や低所得、病気や医療費、さらには負債の返済のためにさらに借金を重ねるなど、さまざまな要因が重なり、多くの人々が破産に追い込まれています。この記事を通じて、破産債務者の現状とその原因について理解を深めていただければ幸いです。

【参考資料】
日本弁護士連合会『2020年破産事件及び個人再生事件記録調査
厚生労働省『生活保護制度の概要等について

執筆者:鍛治田祐子

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