従業員に感謝できる経営者必見!中退共の掛金のルール

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従業員の退職金を準備することは、経営者としての大切な責務です。従業員への感謝の気持ちを形にするために、中退共の掛金のルールを理解し、適切な設定を行いましょう。本記事では、中退共の概要から掛金の設定方法、納付方法、未納時の対処法まで詳しく解説します。

■中退共の概要

中退共(中小企業退職金共済制度)は、中小企業の従業員に対して退職金を支給するための制度です。企業が毎月掛金を納付し、従業員が退職する際に退職金が支給されます。具体的な流れは以下の通りです。

  1. 企業が中退共に加入し、従業員ごとに掛金を設定。
  2. 毎月、企業が掛金を中退共に納付。
  3. 従業員が退職する際に、中退共から退職金が支給される。

■中退共のメリット

中退共の最大のメリットは、掛金が法人の場合は全額損金として、個人事業主の場合は全額必要経費として扱われることです。これにより、企業の税負担が軽減されます。また、以下のようなメリットもあります。

  • 社会的信用の向上:中退共に加入していることで、企業の社会的信用が向上します。
  • 従業員のモチベーション向上:退職金制度があることで、従業員の働く意欲が高まります。
  • 人材の定着:退職金制度が整っている企業は、従業員の定着率が高まります。

■月額掛金の種類は16種類

中退共の月額掛金は、5,000円から30,000円までの16種類から選択できます。具体的には、5,000円から10,000円までは1,000円単位、10,000円から30,000円までは2,000円単位で設定可能です。また、短時間労働者(パートタイマー等)の場合は、特例として2,000円、3,000円、4,000円の掛金も選択できます。

■月額掛金の設定方法 3つのパターン

月額掛金の設定方法に悩んでいる経営者のために、3つのパターンを示します。

定年退職する年齢と退職金額を決め、逆算する方法

例えば、従業員が60歳で定年退職し、退職金として300万円を支給する場合、現在の年齢が40歳であれば、20年間で300万円を積み立てる必要があります。この場合、月額掛金は15,000円(300万円 ÷ 20年 ÷ 12ヶ月)となります。

賃金を基準にする方法

従業員の月給の一定割合を掛金とする方法です。例えば、月給が30万円の場合、その5%を掛金とすると、月額掛金は15,000円となります。

勤続年数を基準にする方法

勤続年数に応じて掛金を設定する方法です。例えば、勤続年数が10年未満の従業員には5,000円、10年以上の従業員には10,000円といった形で設定します。

■掛金の納付方法

掛金の納付方法には、月払いと前納の2種類があります。月払いは毎月決まった日に掛金を納付する方法で、前納は1年分の掛金を一括で納付する方法です。前納の場合、割引が適用されることがあります。

■もし納付できなかったら?

未納が認められる正当な理由とは?

掛金の未納が認められる正当な理由としては、以下のようなケースがあります。

  • 自然災害:地震や台風などの自然災害による被害。
  • 経営難:一時的な経営難や資金繰りの悪化。
  • その他の不可抗力:火災や盗難などの不可抗力による被害。
納付できなかった時の対処法

掛金を納付できなかった場合、”掛金未納正当理由申立書”を提出することで、未納が認められる場合があります。この申立書は、未納が発生したらすみやかに提出する必要があります。また、残高不足で振替ができなかった場合は、翌月に再度請求されます。何ヶ月間も残高不足が続いた場合、以下のようなペナルティが発生することがあります。

  • 信用の低下:企業の信用が低下し、取引先や金融機関からの評価が悪化することがあります。
  • 振替請求の停止:預金残高不足が3か月連続した場合、口座振替による掛金の振替請求を停止されます。
  • 契約の解除:掛金を一定期間(12か月以上)継続して未納にしたとき、機構は退職金共済契約を解除します。
  • 退職金の減額:未納期間が長引くと、従業員の退職金が減額される可能性があります。

おわりに

いかがでしたか? 中退共の掛金のルールについて理解が深まりましたでしょうか。従業員への感謝の気持ちを形にするために、適切な掛金設定を行い、安心して働ける環境を整えましょう。今後も従業員と共に成長し、より良い企業を目指していきましょう。

執筆者:鍛治田祐子

■ファイナンシャルプランナー

【保有資格】CFP®認定者 1級ファイナンシャルプランニング技能士

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